東方神起とwebメディア
「東方神起LIVE TOUR 2014~TREE~」が絶賛開催中ですが、私といえば東京ドームのチケットが取れなかったショックで廃人状態からのGWスタートを迎えました。恒例だとそろそろレポのひとつでも書いてていい頃なのですが、平日中心の今回のツアー日程ではそれもままならず、こんなエントリを書いています...
K-POPがYoutubeやSNSなどのwebメディアを活用してファン層を広げてきたことは広く知られるようになりましたが、例として挙げられるアイドルはほとんどが少女時代以降のグループで、東方神起について語られることはあまりなかったように思います。自分もファンになったのは2008年なのでデビュー当時(2003年)のことまではわからないのですが、自分の記憶をたよりに振り返ってみようかと。
東方神起にハマった人の初期症状としてよく挙げられるのが、Youtubeの関連動画を漁っていたら朝方になっていたコースですが、私が当時驚いたのが、ファンブログで見かけるパパラッチ写真の多さでした。メディアに撮られたものはもちろん、ファンの撮影による写真の多さは「世界で最も多く写真を取られたグループ」としてギネス記録を持っていることからもわかります。その頃はてっきり世界一写真を取られているのはパリス・ヒルトンだとばかり思っていたのに、それをはるかに凌駕する、はかりしれない世界がそこにありました。
そういった写真を韓国のファンが自分のブログやペンカフェに上げ、それを日本人のファンが自分のブログに転載、さらにそれを自分のような新規が読み漁る、という流れだったかと思います。当時アメブロの韓流ジャンルやFC2の音楽カテゴリは、ランキング上位が東方神起関連のブログで埋め尽くされていました。
ではYoutubeではどうだったかというと、動画自体は膨大にありました。ただ、少女時代以降のように、所属事務所がYoutubeと公式にアライアンスを組んでプロモーションという形ではなく、あくまでファンが自分たちで楽しむためにUPしたものでした。それも、Youtubeと同時期に創業したフランスのDailymotionや、中国の土豆や優酷、韓国のDaumといった動画サイトにすでに1回上げたものを、Youtubeに上げ直しているパターンが多かったかと思います。
東方神起はデビュー当時から“神秘ドル”とかいうコンセプトで、プライベートの露出をせず、それゆえにファンは必死になって彼らを追いかけ、時には“サセンペン”という極端な形になってあらわれた…という構図だったかと。
そんな古き良きアイドルとファンの関係性を一変させたのが2009年の訴訟問題でした。いままでファンだと思っていた人たちが一斉にネット上で誹謗中傷の一斉砲火を浴びせはじめるさまを見て、牧歌的な日本のファンたちは初めて韓国特有の過激なメディアプレイの洗礼を受けたのですね。いまではTwitterやFacebookといったグローバルなプラットフォームが中心なので、たとえ自国でデマが流れても、どこかの国で誰かが訂正してくれるものですが、当時はクローズドな空間で作られたデマがいつのまにかポータルサイトにまで拡散されているという恐怖がありました。それはやがて日本にも飛び火して、楽しいはずのブログコミュニティも息苦しいものになっていきました。そうしてTwitterに逃げていく人が増えていったかと。
約2年間の暗黒期を経て、東方神起は活動を再開し、ファンのコミュニティもTwitterに軸足を移しつつ、活気を取り戻しました。ところがそれもつかの間、日本では3.11の震災が起こります。そのときの自分とトンペンたちとのやり取りは過去記事に書いたので省きますが、訴訟問題と、この震災とで、トンペンの中のTwitter・Facebookユーザーが増えたのは間違いないかと思います。
その後K-POPの隆盛とともに、SUPER JUNIORをはじめとするアイドルたちはTwitterアカウントを開設し、自ら情報発信をするようになりました。ときにトラブルの種になることもありますが、これを上手く使いこなすのがいまどきのアイドルの条件といっても過言ではないでしょう。一方、SNSを使わない東方神起は旧型アイドルの色を強めている感は否めません(別に使ってほしいとは思わないけど←トンペン)
そしてトンペン震撼のスプーン事件(笑)が起こります。古傷を抉るようで申し訳ないのですが、私がこの件で感じたのは、プライベートを売り物にしない“神秘ドル”の終焉ということでした。そしてもうひとつ注目するとすれば、この写真がUPされたのが、weiboという中国最大のSNSだったということです。このあとK-POP産業が徐々に日本から中国シフトしていくことを思うと、ある意味象徴的な一件だったと思います。
…とここまで東方神起とwebメディアの関係について書いてきましたが、そうはいっても日本のファンが受け取る情報というのは、圧倒的にTVと雑誌のほうが多かったかと思います。ファンブログにしても、基本的にはそういったメディア露出の情報があればこそ頻繁な更新が可能になっていました。ところが日韓の関係悪化が長期化する昨今、東方神起をTVで見かけることはほとんどなくなりました。そのためか、日本のレコード会社もwebプロモーションを強化し、サイトをSNS拡散しやすい設計にしたり、リマーケティング広告を打ったりという施策を取っています。
一方、本国の韓国では、主要音楽番組がランキングにSNSでの話題性を評価点として加えるようになり、“旧型アイドル”である東方神起にとって1位を取るのは簡単ではない時代になってきました。
いままで頼りにしていたTVにも出られず、またSNSの波にも乗らなかった東方神起にとって、ファンとのつながりはアルバムとライブが中心になっています。だからこそライブ会場にいることが大事なのです5/24(土)東京ドームのチケット譲ってくださいというのがオチですが、ほんと切実なんでお願いします(土下座)